AGA治療薬「デュタステリド」とは?
デュタステリドは、比較的新しい部類に入るAGA改善薬です。
このデュタステリドとは一般名であるため、実際に販売されている製品はそれぞれ違う名称となっています。
ですがいずれも有効成分による効果的な作用を期待できるため、AGAで悩む人は強い味方とすることができます。
特徴としては、AGAの原因に直接作用して、症状を根本からの解決にいざなう点が挙げられます。
市販薬には栄養面や血行促進、刺激において発毛を活性化させるタイプが多く見られますが、原因へ直接的な作用を促す存在は基本ありません。
デュタステリドだからこその高い有効性が、理想的な頭髪へと近づけてくれます。
AGA改善薬としての歴史は浅いですが、別の病気に活かせる薬としてなら、デュタステリドは比較的長きにわたり使い続けられています。
もともと、デュタステリドは前立腺肥大の薬として、2001年にイギリスで研究開発された薬でした。
以後、現在に渡り活用され続けています。
前立腺肥大とは、男性の膀胱下部に存在する臓器が肥大化する症状です。
前立腺が大きくなると、尿道を圧迫するため、排尿に時間がかかります。
さらに残尿感や頻尿といった生活に支障を来すような症状も併発します。
これらを総称して、前立腺肥大症と呼びます。
デュタステリドの有効成分は、男性ホルモンへピンポイントに効果を現しやすい特徴を持つため、男性特有であるこの症状に最適であったのです。
ですが後の研究において、その特徴は、同時にAGA改善へも適していることが判明しました。
そうした経緯により、デュタステリドはAGA改善薬としての改良が進められ、2009年に韓国で、そして2015年より日本国内でも、専用薬として承認される運びとなりました。
認知度
デュタステリドは、AGA改善薬の一般名であるため、一般の人はあまり馴染みがないかもしれません。
AGAに悩んでおり、個人で情報を調べるような人でも、商品名は知っているもののこちらは知らないというケースが多いことでしょう。
そうした意味で、認知度はそこまで高くないといえます。
もちろん、登場してまだ間もないということもその理由に挙げられます。
また、市販されない薬であることも、認知度の低さに繋がっています。
デュタステリドは、医師の処方が必要になる薬です。
そのため、身近な薬局やドラッグストア、コンビニなどでは販売できません。
とはいえ、前立腺肥大薬として2001年より使い続けられており、またより効果的なAGA改善薬として近年大きな注目を集めているだけに、医療の業界では多くの人が知る存在です。
AGA治療で病院を訪れ際は、多くの場合治療薬の一つとして提案してもらえることでしょう。
種類
デュタステリドは、あらゆる形で商品化されています。
まず一つに、前述にも触れた、AGA改善薬の元となった前立腺肥大の薬としてです。
前立腺肥大のために製造されている薬ですが、実は成分や効能はほぼ変わりません。
同様の「デュタステリドカプセル」という表記の上販売されているので、同じくAGA改善にも期待できると考えておいて問題ありません。
次に、世界に先駆け、2009年韓国で発売されたタイプのものです。
こちらも国内販売のAGA改善薬と成分や効能はほとんど変わりませんが、名称が異なるため、違う種類であるといえます。
そしてもっとも身近な存在であるデュタステリド製品としては、2015年に承認された国内製造の薬が挙げられます。
ですが、さまざまな状況が重なり、2016年初旬現在において実はまだ発売されていないのが現状です。
今後状況が整い次第、展開、処方は開始されるといわれています。
メーカーや治療院ホームページ、その他かかりつけ医師からの情報により、状況を確認してみてください。
デュタステリドという一般名の薬ですが、これは有効成分「デュタステリド」に由来したものです。
この有効成分のデュタステリドこそが、従来治療は難しいとされていたAGA改善に大きく役立つのです。
デュタステリドの有効性を語る上で欠かせないのが、フィナステリドです。
これはデュタステリドにかなり似た効果を持つ薬名、および成分名であり、AGAの直接的な改善策はないとされていた時代に突如登場し、大きな話題となった存在です。
デュタステリド登場以前より、AGAや前立腺肥大に役立てられていました。
そしてそれほどの有効性、知名度を持つフィナステリドもしのぐのが、デュタステリドです。
微妙な違いながら、臨床データ上でもその事実は証明されており、フィナステリド以上の効果に期待が持てるといわれています。
デュタステリドの効果・効能は、同時に有効成分の「デュタステリド」が持つ有効性ともいえます。
デュタステリドには、AGA症状の起こる仕組みを根本から阻害する作用があります。
AGAとは、頭皮に存在するテストステロンが5α還元酵素の影響でジヒドロテストステロンへ変化することで起こる薄毛症状です。
ジヒドロテストステロンは、髪の成長を休止や停止させる存在です。
そのため、市販の血行促進等を謳った育毛剤などは効きにくい症状でもあります。
ストレスや喫煙、生活バランスの乱れからくる一般的な薄毛症状との、大きく異なるのです。
デュタステリドには、ジヒドロテストステロンの産生される原因である、5α還元酵素を阻害する働きがあります。
そのため、まさにAGA向きといっても過言ではない改善効果が期待できるのです。
そしてさらに外せないポイントとなるのが、デュタステリドは1型5α還元酵素と2型5α還元酵素の両方に作用する特徴です。
先ほどから重ねて挙げている、フィナステリド以上の有効性が期待できるのは、この点を有するからこそです。
1型5α還元酵素とは、主に前頭部から後頭部に渡り広がる皮脂腺で確認できる酵素です。
そして2型は、頭頂部周辺の毛乳頭に多く見られます。
こうした理由は、AGA患者の多くが頭頂部と前頭部から薄くなり始める要因ともいえます。
従来主流であった5α還元酵素阻害薬は、フィナステリドでした。
こちらでも十分に効果は期待できましたが、作用を促せる5α還元酵素は2型だけでした。
そんな中登場したデュタステリドは、何と2型、1型両方への作用が期待できる代物となっています。
この特徴による有効性はアメリカの学会誌でも大きく取り上げられており、臨床試験を通し、フィナステリド含有薬を約1.6倍も上回る効果が確認されたと発表されていたそうです。
毛髪数、髪の太さ、さらに写真データを通しても優位性が見られたとのことです。
このことから、フィナステリドでも効きにくい重いAGAであったとしても、デュタステリドなら改善への希望が持てるといえます。
医師に相談の上、切り替えを検討しても良いかもしれません。
近年、薄毛改善に関する製品は、数多く市販されています。
手軽なスプレータイプの育毛剤から、デュタステリドと同じく飲むタイプのもの、またシャンプーを通して有効成分を行き届けるものまで、さまざまです。
デュタステリドに関しては、厚生労働省に認可された薬であるため、医師の処方を求められることになります。
これは、不適切なデュタステリドの使用による危険性を防ぐためです。
処方が必須となることを、煩わしく思う方もいるかもしれません。
しかし、これは安心安全にデュタステリドを使用するために必要な規定であるといえます。
海外発の効果的な男性特有症状に向けた治療薬は、偽造品や粗悪品も出回っているのが実際のところ。
需要が高く、また比較的高価であるため、個人輸入ビジネスに活用する業者も少なくないからです。
偽造品や粗悪品は、効果が期待できないどころか、思わぬ副作用なども起こしかねませんので、こうした業者の利用は避けるべきと言えるでしょう。
医師から処方してもらった、デュタステリドであれば、用法用量や副作用に関する注意も踏まえた上で、安全に処方してもらえますので、そうした心配はありません。
継続服用が必要な薬でもあるため、必ず医師の処方のもと、安全に使用するようにしてください。
価格について
まず国内承認された薬に関しては、金額が未定となっています。
なぜなら、2016年初旬現在、まだ発売には至っていないためです。
発売を待ち、各クリニックやメーカーホームページにて確認しましょう。
現在手に入れやすいものとしては、前立腺肥大薬としても使用されている以前からあるタイプとなります。
こちらはデュタステリド成分0.5mgタイプとなっており、4錠で1,500円、そして30錠タイプ9,000円で処方してもらえます。
ただ処方の形で入手する場合、それに伴う診療費も加算される場合が多いので、あくまで上記は目安として、各医療機関で詳しく尋ねるようにしてください。
服用方法は、1日1回、1錠を6ヶ月間継続して飲み続ける形となっています。
1型・2型5α阻害酵素を一定期間阻害し、さらに健康な発毛サイクルを取り戻す必要があるため、長期の服用が求められるのです。
とはいえ、食事に影響されない薬であるため、飲む時間は自由で問題ありません。
気軽に続けられます。
また、塩化カルプロニウムを有効成分とした塗布タイプの薬と併用することで、さらなる効果も期待できます。
注意点としては、いくつかの副作用も存在することが挙げられます。
体質や状況により、後述で紹介するような症状が見られる場合もあります。
重篤症状に関してはそこまで心配はいりませんが、異常が見られたら無理せず医師に相談するよう気をつけてください。
また、女性がいる環境での使用にも気を配りましょう。
妊婦や授乳婦が服用したり触れたりした場合、胎児・乳児に異常を来す恐れがあります。
その点は、やや特筆すべき点といえるかもしれません。
デュタステリドの副作用は、国内臨床データ403症例中44例に発現が確認されているそうです。
主には、勃起不全や性欲減退、乳房障害、肝機能異常、射精障害、浮動性めまいなどがわずかずつ現れたそうです。
その他、悪心や倦怠感、耳鳴りなどの軽い感覚的副作用もごく一部に見られています。
とはいえ、前述の通り重大な症状は基本的に存在しません。
加えて医師処方時にアドバイスなども添えられるため、安心感は高い薬と考えておいて問題ないでしょう。
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